愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】
私は焦っていた…
和弥が九州に行く前に話しがしたい。
和弥の携帯を何度も鳴らしたが出てくれなかった。メールも送信し続けた…でも、返信はこない。堪らず龍司の眼を盗みアパートまで行ったけど、人の気配すらなかった…
もしかして、もう九州に行っちゃったの?でも、連絡が取れないのはおかしい。まるで避けられているみたい。携帯が鳴るたび期待と不安で私の心臓は壊れそうだよ…
「はい…」
『真央?麗子だけど…』
和弥じゃなかった…
「うん…」
『どうしたの?元気ないね…』
心配そうな麗子の声
「う…ん。ちょっとね…何か用だった?」
『あ…うん。ドレスの事なんだけど、そろそろ注文しないと間に合わないのよね…でも、結婚はしないんでしょ?どうするのかと思って…』
「ドレスか…」
何の感情も湧いてこない。
『とにかく会いたいんだけど…明後日、仕事が終わってからご飯食べに行かない?』
和弥も龍司も居ないし…
「うん。いいよ」
待ち合わせの場所と時間を約束して携帯を切る。
麗子に話してみようかな…
誰かに聞いてほしかったのかもしれない。
自分一人で抱え込むのも、そろそろ限界。心が折れそうだった…