愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】
それは、6月梅雨の切れ間に訪れた久々の晴天。
体育館でバスケのはずが、なぜかグラウンドで持久走
その日はとても蒸し暑く、普段ほとんど汗など掻かない私がグッショリ汗に濡れ、肌に纏わり付く体操着を気にしながら最後尾を走っていた。
そんなワケだから、グラウンドを3周した時点でダウン。
周りの冷めた視線を受けながらフラフラとグラウンドの隅にある水道に向かうと、蛇口をひねり迸(ほとばし)る冷たい水で首筋を冷やし顔を洗う。
ふぅー…気持ちいい…
すると肩の辺りに何かを置かれた感覚がして、ふと手をやると…
えっ…タオル?
そして背後に感じる人の気配。
私はてっきり心配して来てくれた親友の沙紀(さき)だと思い明るく声を上げた。
「有難う…さ…き」
でも、私の後ろに立っていたのは沙紀ではなく同じクラスの男子
桜井 和弥(さくらい かずや)だった…
驚きで固まってる私に、彼は視線を合わすことなく言う。
「…使えよ」