愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】
「なら、怒ってるよね?もう私の事、嫌いになったでしょ?」
怒鳴られても引っぱたかれても仕方ない。私は、それだけの事をしたんだから…
眼をギュッと瞑り、奥歯を噛み締め龍司の次の言葉を待った。でも、龍司は「辛かったんだな…真央」そう言って私を抱き締め優しく背中を擦る。
「龍司…?」
「そんなに泣いて…桜井の事が、よっぽと好きだったんだな…」
彼の意外な言動に困惑し、言葉が出ない…
「桜井の彼女に会ったよ。真央に言うべきか悩んだ…でも、俺がそれを真央に言っても、君は信じないと思った。それなら自分の眼で確かめて納得するのがいい様な気がしてな…
今、真央の顔を見て、それが一番ベストな選択だったのか自分でも分からないよ…俺は残酷な事をしてしまったのかもしれないな」
どうして?龍司はどうしてそんなに優しいの?私は龍司を裏切ったんだよ?なのに、こんな私の為に…そこまで…
「有難う…龍司…ちゃんと自分で確かめる事が出来て良かったって思う。だからもう、私の事はいいの…」
「どういう意味だ?」
「…別れよう…龍司。これ以上、龍司に甘えられない」
ほんの少し、私を抱き締める龍司の腕の力が緩んだ。
「…だったら、最後に一つ。俺の願いを聴いてくれ…」
龍司の願い?
「私に出来る事なら、なんだってするよ。言って?」
龍司の願いなら、どんな事をしても叶えてあげたい…
再び私を強く抱き、龍司が耳元で囁く。
「だったら、…俺の所に戻って来てくれ…そして、俺を愛してくれ…」