愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】

「麗子の連絡先は教えるけど、絶対に麗子に迷惑掛る様な事はしないでね?」

「分かってる。悪い様にはしない…教えてくれ」

「それと…和弥にも連絡してあげて…俊の事、気にしてたから…」

「…あぁ」


それから1時間ほどスナックに居たが、お客さんが多くなってきて俊も忙しそうだったので、また来ると約束して店を後にした。


とうとう最後まで私の結婚が決まったって事、俊に言えなかったな…でも、俊と和弥と麗子…それに、沙紀。4人の間に、いったい何があるの?


俊との再会は、なんだか後味の悪いものだった。




2日間の休みはあっという間に過ぎ去り私はマンションに戻ってきた。


龍司に帰ったと連絡を入れ、キャリーバックの整理を始めるも気分が乗らず途中で投げ出しソファーに寝転ぶ。気になっていたのは、俊の事。


俊は何をしようとしてるんだろう…



―――その夜

マンションに帰って来た龍司が私に背を向け、スーツを脱ぎながらボソッと言った。


「桜井が…転勤願いを出してきた…」

「えっ?」

「九州の支社に戻して欲しいそうだ…」

「…………」

「移植手術するって言ってたよ…」

「…そう」


和弥の名前を聞くだけで、私はまだ、こんなに胸が熱くなる。


「今すぐって訳じゃないが…来年2月くらいかな…」



和弥が居なくなる…


和弥が…また私の前から居なくなる…


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