愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】
思わず和弥の元に駆け寄り抱き付きたい衝動に駆られる。でも、それは許されない事。何事もなかったように車は走り出し、あっという間に私の視界から消えて行った…
胸が痛いよ…和弥…
どんなに艶やかで綺麗な着物を着てても、私の心は色の無い灰色の世界に居るようだよ。もう一度、あなたに会い話しがしたいと思うのは、罪なのかな…
―――それから数日後、私は式場で麗子と会っいてた。
今日はドレスの仮縫いが終わり最後のサイズチェックだ。試着が終わり部屋で2人っきりになると、麗子がため息混じりに話し出す。
「真央、また痩せた?これじゃあまたウエスト絞らなきゃダメだよ…」
「ごめん…」
「別にいいけど…それより本当に結婚していいの?」
麗子は心配そうに私を上目遣いで見ると、またため息を付く。
「うん…」
今更やめる事なんて出来ない…
「そうだ…麗子、俊から何か言ってこなかった?悪いと思ったんだけど麗子の携帯の番号教えちゃったの…」
麗子の眉がピクリと動く。
「…うん…少し話した…」
「俊は、なんて?」
「あ…大した事じゃないよ。昔話しをちょっとね…」
麗子…何か隠してる?
「和弥の事なの?」
すると麗子は真剣な顔で聞いてきた。
「真央、和弥の事…まだ好き?」
「えっ?」
「聞いたよ…沙紀の事…もし、和弥と沙紀が別れたら、もう一度、和弥とやり直す気ある?」