愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】
「真央、そうなのか?」
瞬きするのも忘れたみたいに大きく眼を見開いた龍司が私の顔を覗き込む。
「え…えぇ…」
「ほーっ…凄い偶然だな!それならお言葉に甘えて相席させてもらおうか?」
「えっ…う、うん」
龍司の前に和弥が、私の前に沙紀が座り食前酒で乾杯する。
和弥に甘える様に体を傾け満面の笑みを浮かべる沙紀。会社での和弥の様子を龍司から聞きご機嫌だ。でも、徐々に話題は私達の学生時代にシフトしていく…
「で、真央は高校時代、どんな娘だったの?」
龍司が興味深々って感じで沙紀に訊ねてる。
「高校生の時の真央は凄く大人しくて、ウブな女の子でした」
「へぇー」
「男の子と話す事なんて絶対無理って感じて…でも、好きな人…出来たんだよね?」
私と和弥の視線が同時に沙紀に向けられた。
沙紀…まさか…私と和弥の事、龍司に話すつもりなの?
フォークを持つ手に汗が滲む…
「好きなくせに告白出来なくて、私がイヤがる真央を説得してバレンタインにチョコを渡させたんですよ」
「ほぅ…で、結果は?」
盛り上がる龍司の横で、私は沙紀を睨み付けていた。
今更、どうしてこんな話しするの?沙紀はもう和弥を手に入れたじゃない。それに、私と和弥が昔付き合ってたなんて龍司に知れたら、和弥の立場が悪くなるのに…
「それが、男子の方も真央が好きだったみたいで付き合いだしたんですよ」
「へぇー…知らなかったなぁ~その男子が真央が初めて付き合った男なのか…」
堪らず2人の会話に割り込み話しを終わらせようとした。
「…沙紀、もうやめて…恥ずかしいよ…」
すると沙紀の眼つきが変わったんだ。
「初めてなのは、それだけじゃないよね?キスしたのも、抱かれたのも…その男子が初めて…」