愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】

◇彼の親友


あの日以来、麗子の嫌がらせは無くなり、以前の様な平穏な日々が戻ってきた。


そして私はまだ、桜井君を"和弥"と呼べてない…



―――昼休み


教室に入ろうとした私は、学級委員の女子に声を掛けられた。


「ねぇ、真央、さっき、男子の体育の先生に頼まれたんだけど…
今日の6限の男子の体育、サッカーなんだって。
でも、サッカーボールの空気が全部抜けてて、サッカー部のボール借りたいらしいのよ」

「…うん」

「でさぁ~誰でもいいら、サッカー部の子に言っといて欲しいって」

「ふーん…」

「ふーんじゃなくて、真央、言っといてくれない?」

「えぇっ?なんで私が…」

「いいじゃん!!私、今から生徒会の会議あるから時間無くて…じゃあ、頼んだよ。よろしく~」

「あ…ちょっと…」


言いたいことだけ言うと、学級委員女子は廊下を駆け出して行く…


はぁー…っ
いつもこうやって、面倒な事ばかり押し付けられるんだよな…


仕方なく教室を覗いて気が付いた。


このクラスのサッカー部員って、桜井君だけじゃん!!


窓際に座り、一番仲のいい男子と話してる桜井君。ドキドキしながら、遠慮気味に声を掛ける。


「桜井…君」


背を向けてる桜井君は振り向く気配がない。


聞こえなかったのかな?じゃあ、もう一度…


「あの…桜井君」


今度は気付いたのかチラリと振り向いたけど、何も言わず、またすぐ前を向き完全に無視された。


えっ…なんで?

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