愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】
◇さよなら
12月24日――クリスマス・イヴ
今年のイヴは数年に一度のクリスマス寒波到来で、チラチラと粉雪が舞い恋人達には嬉しいホワイトクリスマスになりそうだ…
沙紀の誕生日以来、和弥や沙紀と会う事もなく、私は龍司の希望通り仕事を辞め結婚式の準備に追われ忙しい日々を送っていた。
龍司との食事の約束の時間まで後1時間。私は麗子と喫茶店で式の細かな打ち合わせをしていた。
「写真撮影の日ね、調整したけど2月14日しかダメだったよ…」
「そう…仕方ないよね…でも、バレンタインだし結婚式があって忙しいんじゃないの?」
「まあね。人気のある日だけど今年は仏滅なのよ。だから式の予約は入ってないの。3月は新川さんの仕事が忙しいって事だから、この日しか取れなくて…」
結婚式当日の写真撮影は慌ただしくなるから事前に撮影しておこうという事になっていた。
「また麗子に休日出勤させちゃうね」
「そんなの気にしないでいいよ。それより、真央…和弥に会いたいとか思わない?」
「麗子…いい加減、和弥の話しはやめて」
「ごめん。でもやっぱり、真央は新川さんより和弥がお似合いだと思うんだよねー」
「麗子!!」
最近の私の気持ちは不思議なくらい落ち着いていた。それは和弥の事を考えない様にしてたから…
「ああ…もう言わないよー。じゃあ、そういう事で宜しくね」
「うん」
麗子と一緒に喫茶店を出ると、粉雪舞う歩道から背の高いスーツ姿の男性が近づいて来るのが見えた。
「麗子…」