愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】
「ごめん。待った?」
「いや、俺も今来たとこ」
親しげに話す2人をポカンと見つめていると…「私のダンナ!」麗子がそう言って照れくさそうに笑った。
「えっ!!麗子のご主人?」
慌てて頭を下げる私に、麗子がコソッと言う。
「彼ね、優しそうでしょ?でも、アレの時は凄いSなんだよ…和弥と同じ!!」
「もう、麗子ってば…」
呆れた…でも麗子、とってもいい顔してる。幸せなんだね。旦那さんの事、愛してるんだね…なんだか2人を見てると心がほんわか温ったかくなる。
「真央、一番好きな人の側に居なきゃダメなんだよ。私みたいにね!」
小悪魔みたいな笑顔を残し旦那さんと腕を組んで歩いて行く麗子の後姿を見えなくなるまで見送った。
麗子はまだ、私と和弥の関係が戻る事を望んでくれてるんだね…
有難う…麗子。でも、もう決めた事だから…きっと、これが運命なんだよ。私と和弥は結ばれない運命だった…そう思う事にする。
ちよっぴり痛む胸を押さえ、粉雪が降りしきる灰色の空を少しの間眺めていた。
和弥…
今頃、和弥も沙紀と2人で楽しいクリスマスを過ごしているんだろうね…
「和弥…メリー・クリスマス」
一言そう呟き、龍司との待ち合わせ場所へと歩き出した。