愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】
すると桜井君の表情が一変。ニッコリ笑ったと思ったら、突然私の腕を掴んだんだ。
「えっ?」と思った時には、私の体はフワリと浮き上がり彼の膝の上にチョコンと乗っかっていた。
「ひぃー…っ」
慌てて立ち上がろうとする私の腰に手をまわし、桜井君が耳元で囁く…
「なんだ?真央…」
教室で、皆の前で、こんな格好…ありえない。顔から火が出るくらい恥ずかしい。
でも、そんな私より驚いていたのは、眼の前の森本君だったのかもしれない。
「な、なんだよ。和弥って?なんだよ。真央って?
お前ら、まさか…デキてんのか?」
教室中に響き渡った森本君の叫び声につられ全員の視線が一斉に私達に集中した。
これで皆に私と桜井君のことバレちゃった…かも…
「和弥…お前、いつの間に北沢と…」
「俊が学校来ねぇから、言うの忘れてたんだよ」
「へぇ~…北沢とねぇ…随分、女の好み変わったんだな…麗子とは全然タイプ違うもんな…」
森本君の言葉に桜井君が小さく舌打ちし、彼の頭をパチンと叩く。
「麗子の事は言うな!!バーカ」
「あ、悪りぃー俺、余計なこと言ったみたいだな…ハハハ…」
森本君は苦笑いを浮かべ申し訳なさそな顔して頭をポリポリ。怖いだけの人かと思っていたけど、なんかイメージと違う。
そして、何気に辺りを見渡すと、クラス中の好奇な視線が私達に向けられている事に気付き、桜井君の膝の上で真っ赤になった私はソワソワと視線が定まらない。
こんなに注目されたの…初めてかも…
「で、俺になんの用だったんだよ?」
「えっ?あ…なんだったっけ…?」
サッカーポールの事など、すっかり忘れていた。