愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】
◇幸せの意味
――和弥side
……夢を見てるのかと思った……
でも、俺の眼の前に立っているのは、間違いなく真央だった…
光沢の有る純白のドレスを身に纏ったの真央が、まるで天から舞い降りてきた天使の様に見え、俺は思わず息を呑む。
その天使は、白い透き通る様な肌を紅色に染め大きな切れ長の瞳に溢れそうな涙を溜め震えていた。
「真央か…?」
「かず…や…」
どうして真央がここに居る?
俺と眼が合った真央は高揚した表情を見せ、もう一度、俺の名を呼ぶと零れ落ちた涙を雫に変えながら駆け寄ってくる。
「お前…何やってんだ…」
「和弥…これ」
真央はそう言うと、俺に一枚の紙を差し出した。
「…………?」
戸惑いながら紙を受け取り、ソレ広げた瞬間、俺の体は…固まった…
「これは、俺の…」
「そうだよ。和弥からの手紙だよ!私…知らなかった…今、沙紀から渡されたの」
「今…?」
という事は…真央はこの手紙を読んでなかったのか?じゃあ、あの日、真央は来なかったんじゃなく…来れなかったのか?
紙を握り締め呆然としている俺に満面の笑みを向け、真央が呟く。
「和弥、私、来たよ。ちゃんと来たよ…」
「何言ってんだ。これは、5年以上も前の…」
「…来たよ。和弥が好きだから…来たよ」
潤んだ瞳を細め真央が俺の胸に飛び込んできた。