愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】
信じらんない…もう寝ちゃったの?
でも、寝ててくれた方が良かったり…
なんだかんだ言っても、まだ男の人に囲まれた状態に慣れなくて、なんとなく居心地が悪かったんだよね。
少し張り詰めてた気持ちが緩み部屋を見渡しながらため息をつく。六畳ほどの部屋にテレビとベットとクローゼットがあるくらいで、飾りっ気のない殺風景な部屋
でも、和弥らしいな…
その時、森本君の足元に無造作に置かれた手提げバックから数枚のDVDが飛び出してるのに気付き、何気なくソレを手に取ってみると…
えっ?何これ?1週間前に封切られたばかりの新作ばっかじゃない!!
うわっ!!実話系恋愛映画…観たかったヤツだ!!森本君ってば、どうしてこんなの持ってるの?
あ…もしかして…これって、海賊版?
森本君なら、こんな胡散臭いの持ってても不思議じゃない。
でも…こんな女の子が観るみたいな映画を和弥が観るの?どんな顔して観るんだろう?案外、泣いたりして?
ププッ…ヤダ!!ありえない。
1人でニヤニヤと妄想にふけっていた私。でも突然、ある衝動にかられた…
この映画…観たい。
森本君は寝てるし、和弥が来るまで…ちょっとだけ、いいよね?
森本君を起こさない様にテレビを点け、そっとDVDをセットしてワクワクしながらリモコンの再生ボタンを押す。
『あ、あ~ん…あぁ~ん』
「………????」
プチッ!!
無意識に停止ボタンを押していた…
今の…何?
訳が分かんなくて、恐る恐るもう一度、再生ボタンを押してみた。