愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】
「和弥…ダメ…」
「好きだ…真央…」
抵抗する私の体を押さえ付け、今度は和弥の手がスカートの中に…
「いやぁーーっ!!」
いつもの優しい和弥とは、まるで別人みたいな顔してる。欲望に満ちた男の顔…それが余計に私の恐怖心をあおった。
熱を帯びた指先が肌に触れたその瞬間、全身にゾクリと寒感が走り、私は耐えきれず無我夢中で手足をバタつかせ身をよじっていた。
「やめてぇー…」
そして私に覆い被さっていた彼の体を力一杯突き飛ばすと、肌蹴たブラウスを両手で押さえ部屋の隅に逃げ込む。
床に倒れ込んだ和弥が放心状態で私を凝視してる。その眼は、とても寂しそうな眼だった…
でも、今の私に和弥の胸の内を思いやる余裕などなくて、自分の震える体を抱きしめる事しか出来なかったんだ…
「…真央」
「うっ…いやぁ…っ」
涙が溢れ出し、その場で号泣する私を和弥はなすすべなく見つめ小さなため息を漏らす。
「泣くなよ…真央…」
「ごめん…和弥。私、私…まだ恐い」
泣きじゃくる私の背中をそっと擦りながら、和弥は何度も謝ってくれた。
「悪いのは俺の方だ。すまない…少し急ぎ過ぎたかな…」
辛そうな和弥の声に胸が痛んだ。
「違う…和弥は悪くない。私がいけないの。でも、お願い。もう少し…もう少しだけ…待って」
「あぁ…」
好きなのに…
和弥の事が、こんなに好きなのに…臆病な自分が恨めしい。
「もう、こんな事しないから安心しろ」
「…うん」
それっきり何も言わなくなった和弥は、私が泣き止むまでずっと、抱き締めてくれていた。
ごめんね…和弥…
本当に…ごめんなさい…