愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】

◇ロストバージン


あの日以来、和弥は無理に体を求めてくる事はなかった。2人っきりになっても軽いキスを交わすくらい。


初めのうちは、私の事大切に思ってくれてるんだと嬉しかったけど…


そんな状態が4ヶ月も続き、いつしか季節は暑い夏。


なんだろう…このモヤモヤとした気持ちは…


言いようのない不安が沸々と湧き上がってきて、焦りだした私。


確かにあの時は、まだ心の準備が出来てなくて怖くて仕方なかった。でも今は、何もない事が怖い。


和弥の気持ちが見えなくて…かと言って、ソレを和弥に直接聞く事も出来ず、どうしていいか分からなかった。


「ねぇ、沙紀…ちよっといい?」


放課後の誰も居なくなった教室で、私は沙紀に話し掛ける。


「何?」

「あのね、和弥ったら、あれから何もしてこないの…このままでいいのかな?」


沙紀は上目遣いで私を見ると、いつになく強い口調で切り出す。


「真央さぁー…アンタ、桜井君に甘え過ぎなんじゃない?」

「甘え過ぎ?私が?」

「だってそうでしょ?いくら初めてだからって、彼の事、突き飛ばして思いっきり拒否ったんでしょ?

桜井君と付き合ったら、ちょっとは大人になると思ったけど、いつまでたってもウブ子ちゃんのまま…そんな調子じゃ、桜井君も手出せないでしょーが!!

てか、もう桜井君、真央の事女として見れなくなって抱くの諦めたんじゃないの?」

「沙紀…」


どうしたの?沙紀…


いつも口は悪いけど、親身になって相談に乗ってくれてたのに…


沙紀がイラついてる理由に心当たりがないワケじゃなかった…


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