愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】

コクリと頷く私を見て、沙紀が驚愕の表情で叫ぶ。


「うっそーー!!
あの桜井君と話せる様になったなんて…
真央!!アンタ、進歩したじゃん!!」


沙紀が驚くのも無理はない。


そう…

私は人見知りが激しく中々人と話せない性格。ましてや男子なんてもってのほか…
その中でも桜井君は私が一番苦手とするタイプだった。


いつも機嫌悪そうにムスッとしてて口数も少ない。
男子以外で喋ってるの…あんまり見たことないし…絵に描いた様な硬派な子。


おそらく卒業するまで彼と会話を交わす事は無いだろうと思ってた。
つい、さっきまでは…


「ねぇねぇ、何話したの?」


沙紀は興味津々だ。


「これ…。タオル…貸してくれた」


右手に握り締めてた有名スポーツブランドのタオルを沙紀の眼の前に差し出すと、沙紀は一瞬、言葉を失いポカーンとそのタオルを見つめる。


「へぇ~…
あの桜井君が、真央にタオルをねぇー…
久しぶりの晴れで彼も頭おかしくなっちゃった?」


表情をコロコロ変える沙紀
今度はケラケラ笑い出す。


ホントだよ…
私だって、信じられないんだから…


そこで、私はある事に気付き顔面蒼白になる。


タオル…
貸してもらったのはいいけど、返さなきゃ…だ!!


あぁ~…
どうしよう…

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