愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】

なんでそうなるの?


「あ、あの…悪いけど、今日は…」


断ろうとしたのに、森本君は鼻歌混にじり駆け出すと、和弥の家の前で私に"おいで、おいで"してる。


「はぁ~…っ」


ホント、困った人だ…


仕方なく玄関の鍵を開け、森本君と2階の和弥の部屋へ向かう。


和弥が来る前に帰ってもらえばいいか…


私の秘めた想いなど知るよしもない森本君は、部屋に入るなり寝転がりお気楽な顔で携帯をいじりだす。


私はベットの横にちょこんと座り、テレビのスイッチを入れ特に興味もない情報番組をボンヤリ眺めていた。


ほとんど会話もなく時間だけが過ぎていく。


なんか落ち着かないなぁ…森本君、早く帰ればいいのに…


そう思った時、森本君が携帯を閉じ顔を上げた。


「なぁ、和弥と上手くいってんのか?」


突然の森本君の言葉にドキッとした。だって、その答えを一番知りたいのは、私なんだから…でも、ソレを彼に悟られたくなくて、私は平静を装い笑顔で聞き返す。


「どうして?」

「…なんかさぁ~…和弥のヤツ、最近、元気ない感じだから…真央となんかあったのかなぁ~って思ってさ」

「………」

「アイツ、自分の事はあんま話さないんだよな…」


私のせいなのかもしれない…そう思った。沙紀が言った通り、もう私から離れたいって思ってたとしたら…


動揺を隠しきれず視線を揺らす私を森本君はマジマジと見つめ「もしかして…お前ら、まだシてないとか?」とズバリ聞いてきた。


彼の眼は真剣で、笑って誤魔化しスルー出来る雰囲気じゃない。それに、別に隠す様な事じゃないし…


「…まだ」


私の答えに森本君はうな垂れ首を振りながら視線を落とす。


「なるほどな…そうゆー事か…」





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