愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】
思い出されるのは、あの部室裏での出来事…麗子の浮気に眼の色を変えて怒ってた和弥の姿。
森本君との事がバレたら、麗子に向けてた様な恐ろしい眼をして私も責められるんだろうか…本意ではなかった事だけど、森本君とキスしたのは事実。
私は、和弥を裏切ってしまったんだ…
後悔と情けなさで胸が張り裂けそうにる。
「真央、和弥からか?」
悪びれる様子もなく、平然とした顔で話し掛けてくる森本君に私の怒りは一気に頂点に達した。
「森本君なんて…大嫌い!!」
立ち上がり、和弥の家の鍵を思いっきり森本君に投げつける。鍵は彼の左頬をかすめ後ろの壁で大きな金属音を響かせた。
「真央…」
「その呼び方は、やめて!!森本君に真央なんて呼ばれたくない!!もう、私に関わらないで!!」
こんなに怒りを露にした事など、今まで生きてきた中で一度も無かったと思う。それほど森本君が憎かった。
憎くて、憎くて、どうしようもなくて、殺気立った気持ちを抑える事など出来ない。
森本君が何か言ってる。でも、彼の声に耳を傾ける余裕などなくて、家を飛び出すと駅に続く道を全力で走った。
涙が止まらない…
「大嫌い!!大嫌い!!森本君なんて、この世から居なくなればいい…」
人目も憚らず、号泣しながら電車に飛び乗ったんだ…