愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】

それから何度も和弥の携帯を鳴らしたけど、全く繋がらなかった。


もしかして…森本君の事がバレて、私のこと避けてるのかもしれない。もしそうなら、真実を話さなきゃ…無理矢理された事だもん。


そうだよ。私が好きなのは、和弥だけなんだから…


和弥に会いたい一心で、次の日も、また次の日も彼の携帯を鳴らす。でも、呼び出し音だけが寂しく耳に響き和弥が出る事はなかった。


そして夏休みも残すところ後数日。
部活で学校に行くと、私はいつもの様にグラウンドのサッカー部が気になって何度も窓を覗き和弥の姿を探していた。


でも、夏休みに入ってから、和弥は一度も部活には来てない。


あんなに一生懸命だったのに…いったい、和弥に何があったんだろう…


その日も音楽室に向かう廊下の窓からグラウンドを眺めていると、あれ以来、なんとなくお互い避けていた沙紀がやって来て、私の横に立った。


少し気まずい雰囲気…


「真央…」

「沙紀…」


沙紀は口ごもりながら「この前は…ごめん」と呟き視線を落とす。


「私、最近彼と上手くいってなくて…つい、真央に当たっちゃったの。ずっと謝ろうって思ってたんだけど…ホントにごめんね」

「うぅん」


私はなんだかホッとして、ニッコリ笑って首を振った。


「分かってるよ。沙紀の言ったこと間違ってないよ。
私、沙紀に言われて決心したんだ…ウブ子ちゃんは卒業しよう…って、でも、まだチャンスがなくて…」

「そんな…私の言った事なんて気にしないでいいんだから…焦ることない」

「うん」


沙紀の言葉に心が癒され、ほんの一瞬だけど、和弥の事も森本君の事も忘れ笑顔になれた。


やっぱり、私には沙紀が必要なんだよ。沙紀が居てくれないとダメだ…


だって沙紀は、私のたった一人の親友なんだから…






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