愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】
既に私達には、わだかまりなどなかった。
「ねぇ、クラスの海水浴。真央も行くんでしょ?」
「うん。8月29日だよね?夏休み終わり寸前で宿題心配だけど…」
「水着は?」
「うーん…去年のがあるし…」
「えぇー!!あの、デッカいリボンの付いたおこちゃま水着?あんなのダメだってー
そうだ!!水着買いに行こうよ。桜井君が鼻血出すくらいセクシーなやつ!!」
「やだぁ~アハハ…」
久しぶりにお腹の底から笑った気がした。
それでも、やっぱり気になるのは和弥の事…連絡が取れなくなって、もう1ヶ月半
部活帰りに和弥の家を何度も見に行ったけど、誰も居る気配はなく2階の和弥の部屋はカーテンが閉められたまま。
なんとしても和弥が姿を見せない理由を知りたい。絶対普通じゃない。何かあったんだ…
明後日は8月29日。クラスの海水浴の日
和弥は来るのかな…
頭の中は和弥の事でいっぱい。だから溜まった宿題もなかなか進まず、気付けばもう深夜。そろそろ寝ようと思い立ち上がった時だった。静まり返った部屋に携帯が鳴り響く。
森本君だ…
あれから何度か彼から電話があったけど、無視し続けていた。
でも…
出たくないけど、和弥の事なんか知ってたら…そう思うと心が揺れ戸惑いながらとうとう携帯に出てしまった。
『あ…俊だけど…この前は…ごめん。ホント、悪かった。和弥には、なんも言ってないから安心しろ』
「そう…」
『まだ怒ってんのか?』
「当たり前でしょ?あんな事されて…怒らない方がおかしいよ!!」
『…だな。でもな、あの時、真央を試したワケじゃねぇんだよ。俺、マジ真央の事…好きで…』