愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】
ピッ…
やっばり出なきゃ良かった。彼の声を聞いてるだけで虫唾が走る。結局、和弥の事は聞けずじまいだ。
私は携帯をベットに放り投げ、虚ろな眼で天井を見上げた。
森本君ったら…調子のいい事言わないでよね。何が、マジ好きで…よっ!!人をバカにするのも程がある。彼が私の事を好きになるワケないじゃない。
森本君が好きなのは、すぐ抱ける大人の女性。私みたいなウブで男性経験のない女なんて興味ないくせに…
すると、また携帯が鳴る。
森本君だろうな…出ない。そう決めた。
でもその音はなかなか鳴り止まず、何故か胸騒ぎがして着信の名前を確認してみると…
「和弥?」
待ちに待った和弥からの電話に思わず大声を上げ、慌てて通話ボタンを押す。
「もしもし、和弥?」
『…真央、ずっと連絡しないで…ごめん』
「和弥、私…心配してたんだよ。家には誰も居ないし、部活にも来ないし」
『部活は辞めた…』
「えっ?」
サッカー部を辞めた?あんなに一生懸命頑張ってたのに…1年の時からレギュラーで、夏休み明けにはキャプテンだって嬉しそうだった和弥が部活を辞めるなんて…
「どうして?どうして辞めたの?」
『色々あってな…』
和弥の声は寂しそうで、とても弱々しかった。
『真央、明日、会えるかな?』
「いいよ。どこ行けばいい?」
『俺が真央の方に行くよ。駅で待っててくれるか?』
「…分かった」
多くを語らない和弥に私は不安で一杯になり、携帯を切った後も悪いことばかり考えてしまう。
もしかして、別れを告げられるんじゃ…