愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】

次の日…


約束の時間に駅で和弥を待つ。数分遅れで駅に着いた電車から降りて来た和弥の姿を見つけたとたん胸が熱くなり、既に泣きそうな私。


やっと会えた
やっと、和弥に会えた…


改札を出て来た和弥に駆け寄り、抱き付きたいという衝動をグッと抑え彼のTシャツの裾を控えめに引っ張った。


「真央…」

「会いたかったよ…和弥」

「俺だって…」


和弥の腕が私の肩にまわされた瞬間、今までの不安や、やり切れない想いが消え胸に安堵感が広がる。


良かった…まだ私の事、好きでいてくれたんだ…


「どこ行くの?」

「んっ?まぁ、行けば分かるさ」


和弥がゆっくり歩き出した先は、駅前の繁華街。飲み屋やアダルトな店が立ち並ぶ通り。


普段こんな場所に来る事などない私は辺りを見渡しながら進む。


昼間は静かなとこなんだ…


暫く歩くと、和弥は一軒のスナックの扉を開け中に入って行く。


「ここなの?」

「あぁ…」


スナックに入るなんて初めての事。少し緊張気味に中を覗くと、薄明かりの中カウンターに座り、タバコをふかしてる女性が私達に気付き顔を上げた。


「こんちは」


和弥が笑みを浮かべその女性に挨拶すると「あら?和ちゃんじゃない。久しぶりねぇ」とスッピンの眉の無い顔がほころび白い歯が覗いた。


「俊、居るかな?」


和弥の言葉にドキッとした私の顔が引きつる。


俊…?
俊って、まさか…森本君の事?


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