愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】

すがる様な視線を和弥に向けたけど、彼は私からソッと眼を逸らし、ベット横のチェストの上に置いてあったタバコに手を伸ばす。


その時、和弥の携帯が鳴り、タバコを銜えたままの彼が私に背を向け話し出した。


「…えっ?マジかよ?あぁ、分かった…」


短い会話で携帯を切った和弥が振り向き、まだ長いタバコを灰皿に押しつけながら言う。


「俊のバカ…財布忘れたから取りに来るってさ…真央、服着ろよ」


慌てた様子で私のクシャクシャになった服をベットに投げ入れてきた。


「何やってる?早く服着ないと俊が来ちまうぞ」


焦ってTシャツを着る和弥の姿が、なんだかとても色あせて見え無性に寂しくなる…ほんの数秒で良かった。終わった後、抱き締めて欲しかったのに…


「ねぇ、どうして森本君の家なの?和弥の家じゃダメだったの?」

「俺ん家、今日は親が居て…」


和弥の視線が定まらず、声が上ずってる。


それは、鈍感の私でも何か隠し事してるんじゃないかと疑ってしまうほど、明らかに彼は動揺しいた。


でも、それ以上は何も聞かず服を着ると、ベットに座る和弥の横に腰を下ろし彼の肩に頭を乗っけて手を握ろうとした。


けど…和弥は私の手を押しのけ「俊が来るから…」と立ち上がった。


和弥…


心が凍りつく様な冷たい眼をした和弥を、私は初めて見た。そして、その背中は私を拒絶しているかの様に離れて行く…



もしかして、私…嫌われたの?




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