愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】
そんな…
抱かれれば、今よりもっと好きになってくれると思ったのに…だから、辛い痛みにも耐えれたんだ。
押し黙る和弥の横顔を見つめ唇を噛む。
きっと、私とのエッチ…良くなかったんだ…満足出来なかったんだ…
そうだよね…痛がるだけの女を抱いても楽しくないよね…
でも、今の私には、あれが精一杯だったんだよ。
ごめんね。和弥…こんな私で、ごめんね。やっぱり私は、つまらない女なんだ…
愛する人を落胆させた自分が許せなくて無性に腹が立ち、そして、虚しさが胸を締め付ける。
私はゆっくり立ち上がり床に置いてあったカバンを拾い上げた。
「真央?」
和弥が不思議そうな顔をして私の行動を眼で追う。
「私、今日は…もう帰るね」
泣きそうになるのを必死で堪え笑顔を作る。
「えっ…ちょっと待てよ…俺、真央に話しがある…」
話し…?
「…もしかして…良くない話し?」
「………」
何も答えず下を向く和弥。冷たいモノが一筋、背筋を伝って流れ落ちた。
そして、私の脳裏に浮かんだ"別れ"という二文字。不安と恐怖で呼吸が浅く速くなる。
「…ごめん。その話し…今度にして…」
抱かれたすぐ後に別れを告げられるなんて耐えられない。それに、これ以上、涙を溜めておく自信がない。
私が泣くと、和弥は嫌がるでしょ?そうしたら、もっと嫌われちゃう…
「真央…」
「ごめんね…」
眼に溜まった涙が零れ落ちる寸前、私の名を呼ぶ和弥を部屋に残し薄暗い階段を一気に駆け下りた。