愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】
悪い夢を見てる様だった…
今のは別れの言葉?私、和弥にフラれたの?
携帯が手から滑り落ちても身動き一つ出来ず、ただ呆然とありえないほど大きく響く自分の心臓の音を聞いていた。
「真央、どうしたの?」
沙紀がベットの横で心配そうに私を見上げてる。
「沙紀…私、訳わかんないよ。和弥…私を抱いた事、後悔してるって…それに元気でなって…私、和弥と別れたって事?」
「真央…」
私は思い出した様に布団の上に転がってた携帯を拾い上げ、また和弥の携帯に電話する。けど…何度呼び出し音を鳴らしても、二度と和弥が電話に出る事はなかった。
そして、次の日の午後
和弥の携帯は、呼び出し音さえ鳴らなくなった…
その番号は、すでに主を失っていた。
―――9月1日 始業式
教室では、久しぶりに会った友達と明るく挨拶を交わす声があちらこちらで聞こえ、とても賑やかだ。でも、私はその輪の中に入って行く事が出来ず、一人ぼんやりと左隣の席を見つめていた。
一番会いたい人…和弥が居ない…
零れる様な笑顔を私に向けてくれていた和弥が居ない…
朝のSHRで担任が言った言葉が、更に私の心をかき乱す。
「えー…、桜井和弥の事なんだが…彼は転校しました。急な話しで私も驚いてる」
クラス中がざわめき和弥の席に視線が集中する。
和弥が話したかったのは、この事だったの?辛い顔の理由は転校するからだったの?和弥はそれを言おうとしたのに、私は、ちゃんと話し聞いてあげれなかった…
ごめんね。和弥…どんなに後悔しても、もう和弥は私の隣には戻って来てくれないんだよね…