愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】
「おい!電車来たぞ。走れ!」
森本君の声にそれ以上、聞く事が出来ず、慌てて3人で走り出す。
なんとか電車には間に合ったが、相変わらずの大混雑に気持ちが萎える。駅員さんに背中を押されやっとの思いで電車に乗ったまでは良かったんだけど…
「あっ、沙紀…」
「ま…お…」
沙紀が人の波に押され私と森本君とは離れた車両の奥の方に吸い込まれていく。
オロオロする私の手を掴み森本君は「心配いらねぇよ。ガキじゃあるまいし」と呆れ顔。
「もう!!森本君、冷たい!」
私は沙紀を探しキョロキョロ首を振る。
すると、その時…
「…………!!」
えっ?嘘…これって…まさか…
私のお尻を誰かが触ってる。気のせいなんかじゃない…チカン?
必死で体勢を変えるが、その手は離れるどころかどんどん大胆になってくる。
どうしよう…
今にもスカートの中に手が入りそうで、私は眼の前の森本君を見上げ助けを求めた。
「も…森本君…」
「んっ?なんだ?」
眠そうな顔をした森本君が半開きの目で私を見る。
「…あの…チ、チカン…」
森本君なら、きっと怒り狂ってチカンを撃退してくれると思ったのに、意外にも彼は相変わらず眠そうにあくびをしながら「触らせとけよ」って、面倒くさそうに言ったんだ。
…ありえないんだけど…どうして助けてくれないの?
「お願い…森本君」
堪らず涙目で訴えたまさにその時だった。とうとう、そのチカンの手は私のスカートの中に入り込み太股をゆっくり撫でだした。
「ううっ…」
もう耐えられない…
限界を感じた私が叫び声を上げる寸前、森本君の手の平が私の口を覆う。
「バカ、声出すなって。でも…やっぱ、真央はいいケツしてるな」
「えっ?ケツって…」
「お陰で目覚めた」
「森本君…まさか…このチカン…あなたなの?」
「俺のモンだろ?触らせろよ…」