愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】
慣れた手つきで電気が点いてる部屋の写真をタッチした森本君がニッコリ笑う。その笑顔を見た私の胸がチクリと痛み、そして無性に腹が立った。
エレベーターに乗り込むと、私は森本君の腕を掴み彼を質問責めにしていた。
「誰と来たの?最近も来たの?どうしてそんなお金あるのよ?」
「誰って…セフレの娘だよ。年上でOLやってたから、金は彼女が出してくれた」
悪びれる様子もなく素直に答える森本君に余計腹が立つ。
「真央、もしかして…ヤキモチやいてるのか?」
「そ、そんなんじゃ…ないよ!!」
スネてムッとしてる私の耳に彼の優しい声が響く。
「これからは真央としか来ねぇよ。セフレとは別れたし、俺にはもう、真央だけだ…」
「バカ…」
森本君の強引さと優しさが入り混じった言動が私の心をくすぐり刺激する。この感じが堪らないなんて思ってる私は、ホント…どうかしてる。
エレベーターを降り廊下を少し歩くと森本君が立ち止り、部屋のドアを開け中へ入って行く。部屋の中はオレンジ色の照明がぼんやりと灯り独特の匂いがした。
これが、ラブホ?初めて来た…
私は興味深々で部屋を見まわしながらドアを閉め大きなベットのある部屋へと歩き出す。すると突然、森本君に抱き締められいきなり激しいキス。
「我慢出来ねぇんだけど…」
「ヤダ…森本君」
再び唇を押し付けられ、私達は夢中でキスを繰り返す。手に持っていた鞄がドサッと足元に落ち、私の腕は彼の背中を強く抱き締めていた。
学校をサボって、こんな所でこんな事してる自分が信じられない…少し前の私なら、考えられない事だ。
今、こうして森本君と抱き合っている事に幸せを感じ、イケナイ事をしているという罪悪感なんて、ほとんど無かった。