その手を天高く伸ばせば
居る。

<綺麗な三日月・・・>

疲れたせいか、なんだか眠気が襲ってきた・・・ユウはケンチの服をしっかり掴むとウトウトと、うたた寝し始めた。
バイクの心地よい振動がユウを夢の世界へ案内する。

「ユウ!寝るなよっ我慢してろよ我慢!」

何かを感じとったのかケンチが大声でユウに叫んだ。
びっくりしたユウは、うたた寝をごまかしながらケンチに叫び返した。

「寝てないもん!!!ケンチこそ運転に集中!!!」

「集中してるよバカたれ!」

「もっと集中〜〜〜!!!!!!」

「うるせぇ、ばかユウ!」

「バカばか言うな!ばかケンチィ!!!」

大声で叫び合う二人を三日月が照らす。

真夜中の静かな道路を走る一台のバイク。
闇の中を走り続ける。気分は大切な、お姫様を乗せてお城までドライブ・・・・

「ケンチお腹空いたぁ〜〜〜!!!!」

気分台なし・・・・

「吉牛にでも寄るかぁ????」

「寄るぅ!!!!」

腹ぺこ姫を乗せたバイクは、より加速し新たな目的地へ向かう。

まあ・・・コレもドライブか・・・・

ケンチは軽く微笑んだ。
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