疑惑のグロス
そんなことを考えていた矢先の、定食屋でのあの会話。
むかつかずにいられると思う?
だって、アプローチのこと考えたのは、ほんの半日前のこと。
前向きに頑張ろうって決意した途端、そんないじわるを受けるなんて、わたしはよっぽど神様に嫌われてるとしか思えないわ。
力を入れすぎて、やっぱり今日も歯茎から出血していた。
口をすすごうと泡を吐き出したら、赤いものが混じっているのが見えて、自分の怒りの大きさを改めて実感する。
でも今日は、ものすごいターボがかかったのに、歯磨きを終えてもすっきりしない。
……本当にショックだったんだもん。
彼が大塚のことを好きだと決まったわけじゃない。
でも、目尻の下がっただらしない顔を向けているかもしれないと思っただけで、どうしようもない苛立ちがこみ上げてくるのを止めることができなかった。