期間限定の彼女
そう 今日は 給料日…
父が入院してから 始めての給料日…。
父にお金を 渡す日。
いつも給料を貰ったら
何があっても すぐにその日に
手渡すことにしてるんだ。
あたしは 入院してから
1度も見舞いに行ってない
顔を見ると 口が 勝手にしゃべり出すから!
そして
最後には
親子喧嘩に発展してしまうから・・・・・。
重い足を 病院へ運んだ。
トントン・・・。
「お父さん」
「ああ 菜摘か…来てくれたのか?」
そう言った 病室での父は
少し小さく感じた。
「なに病気になってんの?
健康管理しろって いいながら
健康管理しなきゃ いけないのは
自分でしょ!何してんのよ!
はい!今月分ね」
封筒に 入れたお金を手渡した。
「おう」
と 言っただけで
そのお金を受け取った父。
『ありがとな』の 一言ぐらい
付け加えてもいいんじゃない?
いつも だったら言うけれど
小さくなった父には 何故か言えなかった。