期間限定の彼女


本当に20分くらいで
電話が 掛かってきた。


「どこだ?」


「病院前の公園のベンチです」


「何処か 入ってろ!って言ったのに…
すぐ行くわ」


しばらくすると
ププー


クルマのクラクション…が。


「お前なぁー!冷えるだろうが!」


「大丈夫だよ!
それに 携帯 つついてたら
あっという間に 経ってたよ」


「親父さん 入院してるって
どこか悪いのか?」


「胃の辺り?
たいしたことないと 思うけど?」


「そうか…入院は長いのか?」


「あたしが 松浦さんちへ 始めていった日
帰ったら 家が真っ暗で 誰もいなくて」


「そうか…それは心配だな」


父のことは そんな心配はしてないんだけど…
母とお金がね。


なんては 言えないよね。



< 116 / 281 >

この作品をシェア

pagetop