期間限定の彼女


それからは『自分が兄の分まで』と 
思って 口は 悪く
オレさまな態度は取るけれど
最終的には 自分の気持ちを
抑えるところが あるんだそうだ。


「そーなんですか・・・納得しました
こんな小細工しなくたって
親なら言えばいいのに!
と 思ってましたが
だから 縁談を断る理由に
付き合ってる彼女が居ると
言うことにしたのですね!」


「あなたの言ってることが
事実ならば あなたにも
迷惑かけちゃったわね」


「とにかく…
この手切れ金だけは 受け取れないんで
あたしの話を聞けば お分かりですよね
付き合ってないんだから 
こんなもの頂いて
別れる必要もないですから 
閉まってください」


「えっ?手切れ金?
違うわよー!」


「えっ?」


「あなたが 夜の仕事をしてたりして
家計を助けてるって聞いたものだから
少しでも足しにしてもらいたいと
思ったから…
まさか 反対してるとでも?」


その言葉で あたしは 号泣してしまった。


「泣かないで」


「ご免なさい ご免なさい…ご免なさい
騙してご免なさい!」


< 184 / 281 >

この作品をシェア

pagetop