期間限定の彼女


いよいよ 最終日…


あと終了まで5分…
3分…
1分…
30秒…
5・4・3・2・1


「キンコーン」


終わりを告げるチャイムが鳴り響いた。


今日の終わりを告げるだけじゃなく
あたしの 徳山建設での
楽しかった日々 辛い日々
もろもろの終わりを告げるチャイム。


社内がざわめき始めた
これは いつもの光景。


だが・・・あたしの課では 
チャイムが鳴り終えたときには
課長が 花束を抱えて あたしの前に来てた。


「ご苦労さん
元気で暮らせよ」


その課長のその言葉で
課のみんなが あたしの退職を知ったのだ。


「えー!辞めるの?
なんで言わないんだ?」


「言うと みんなに迷惑かけちゃうし」


「言って欲しかったよ!
送別会だってするのに」


「あたしごときの為にそんな…」


そんな話をしてるのに 松浦さんは無言だった。


あたしが 辞めようと 何しようと
関係ない!かのように。


その態度にも 少しショックを受けた。

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