期間限定の彼女


沢山の人たちが ロビーに居る
改めて あたし
【スゴい会社に勤めてたんだ】
って 思ってしまう。


こんなに人が多いなら
会わずに帰ることだって
出来ちゃうかもしれないね。


その思いも空しく
目の前に 知ってる顔が・・・。


それは
松浦さんの両親


ああ…従業員の親だから 招待されたのか…。


『神様ぁー
どうか気付かれません様に…』


祈る気持ちでいっぱいなのに(涙)


「あっ!菜摘…さん?」


って…。


気づかれてしまった。


あたしが辞めたのは
知らないかもしれない
松浦さんが こんな細かいことまで
話してないかもしれない
だから あたしは 余計な説明はせず


「ああ お久しぶりです!
アッ…うちの両親です 」


と 紹介すると
お互い【どーも】と 会釈をしてた。


「それでは失礼します」


と あたしたちは 前へと進んだ。


たくさんの招待客がいるから
従業員がどこに居るのかわからない。




< 235 / 281 >

この作品をシェア

pagetop