期間限定の彼女


居なくなると ちょうどいいや
忘れられる!と 思ってるのに


増木が 菜摘とよく電話してるようで
『菜摘元気そうです』とか
逐一 菜摘のことを 課のみんなに
報告してるのが 聞こえてくるから
そう簡単にはいかないようだ。


ある時


「菜摘って 好きな人を忘れるために
福井へ帰ったみたいですよ」


と 話してるのが聞こえてきた。


好きな人を忘れるために?


誰だ?そいつ
と 思いながら 黙って聞いていた。


「片岡は それだけのことで?」


「課長!それだけとは 言いますけど
辛かったみたいですよ」


「だけど 会社まで
辞めることないのにさ」


「何かあるんじゃないですかねぇ~」


「と言うことは
相手って会社の者かな?」


オレは 飲んでたお茶を吹きそうになった。


自惚れては いけないけど
まさか オレ?







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