期間限定の彼女


開き直るとは言え
一応 松浦さんの席には
背を向けて 斎藤さんに 対応する。


・・・だが・・・


「すみませーん
おつまみと生ビール下さい」


後ろから声が…。


後ろと言えば 松浦さんたちのの席。


「少々 お待ちくださいね!」


恐る恐る 振り替える


けれど
あたしを見た松浦さんは無反応。


良かった!
気づかれてないやぁー!


やっぱり わかんないんだ!


【大丈夫!大丈夫!】


心に言い聞かせ


「お待たせしましたぁー
ビールとお摘まみの 牛筋煮込みです」


と 震えそうな手に力を入れ
そのテーブルに 注文の品を置いた。



どうか バレませんように。



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