金龍副総長×天然お嬢様 ~今日も俺は、恋愛中毒~
相手にしてはいけない。



頭にそう浮かんで、
その場から去ろうとした。


「無視はダメだろ。
お嬢ちゃん。」


ガシッと強い力で腕を捕まれた。


また…変なことされる…


「いやッッ…離して!!」


「懍!!
テメエ等、俺の懍に何してくれてんの?」


叫んだ時、
歩は、恐い顔をして男の腕を掴んでいた。


さっきまでの優しい歩ではない。


でも…恐くない。


本当の歩を知っているから。


「おー、金龍のナンバーツーが仲良くガキとデートかよ。」


「フンッ…
毒蛇のツートップが仲良くデートかよ。」


歩の声は低く、静かに響く。


「ナッッ!!
わりいか!!今日は池上がいねえみたいだし、今すぐこの間のお礼してやるよ…」

お礼?
今から何が行われるの?

私には理解できない会話だけど、
ヤバイ雰囲気だってことはわかる。


歩は、私の手を握り、
庇うように前に立つ。



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