金龍副総長×天然お嬢様 ~今日も俺は、恋愛中毒~
皐月の後に乗るのは
少し罪悪感がある。


でも、気持ちがはっきりしていない今歩には会いずらい。



しばらくして着いた場所は、誰もいない海だった。


「誰もいない。」


「此処、穴場だから誰もいねえんだ。
嫌なことあった時、よくここに来てたんだよ。」


皐月さんも嫌なこと
あるんだ。



砂浜に腰を降ろして
海を眺めていると気持ちが落ち着いた。



「歩となんかあったの?」


口を開いたのは皐月だ。



「違うよ。
なんだかわからなくなって。」


「わからない?」


「私は、歩といたい。
でもそれは、夏ちゃんに悪いことをしているの。
両方、手離したくないと思うのは欲張りなのかな。」


「欲張りだな。」


「……そうだよね…」


「でも、それが凛の気持ちなんだから欲張りでいいんじゃん?
あの友達に何かされてるんだろ?」


「……。」


「大丈夫。
歩には言わねえからさ。」

何にも考えてなさそうな
皐月。
でも真剣に聞いてくれている。



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