金龍副総長×天然お嬢様 ~今日も俺は、恋愛中毒~
ピリピリ…ピリピリ…


俺の携帯の着信だ。


仁からだ。


「おー仁。」


『歩!?
遅せえ!!何かあったんか?』


あーそうか。
もう集会の時間だったな。


「わりい。
ちょっと雑魚に時間かかってな。」


『大丈夫か?
俺ら行こうか?』


「大丈夫だ。
中坊っぽい女たちがいっから、そいつ等帰したら向かうよ。」


『ああ、わあった。
途中で合流するか。』


「ああ。じゃあな。」


仁と電話をしていると、
車の中から1人女が出てきた。


真ん丸な目のちっこい人形。


「あのぉ…助けてくれてありがとうございました!」

「ああ。何かされたか?」

「いえ。される前に助けに来てくれたので!!
あのぉ、あなたはいい人ですか?」


「え…?」


いきなりの質問に驚いた。

いい人なわけねえし…


「あの男の人たちみたいに悪いことする人ですか?」

「あいつ等みたいなことは絶対しねえよ。
まあ…悪い人にはかわりないけど。」


お嬢様にはわかんねえかな。


「そうですか。
でもあなたは優しいです。」


にっこり微笑むちっこい人形。


なんだろ…


純粋なタイプには免疫がないらしい。


ドキドキしてる。


「あの…さ、君ら中学生?」

「はい。昼が丘学園です。」


昼が丘…

やっぱり相当なお嬢様だな。


「お嬢様にはわかんねえかもしんねえけど…
世の中には、悪いやつばっかだかんな。
夜は特に気を付けな。
なんかあったら、この番号にかけてきな。」


「はい!!
では、私たちは帰ります。」

「大丈夫?送ってくけど。車呼ぶし。」


「いえ。
友達の迎えを呼んだので。えっと、名前を…」


「湯沢歩。キミは?」


「鮎川 懍」
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