舞い降りた羽
『えー!?
彼氏が帰ってきた!?』



「ち、違うわよ!
……彼氏、じゃない。」





嬉しさのあまり、侑子に連絡してしまった。



結局、灰色の子猫はしばらく私の家で世話することにした。



猫は人間に近寄らないのが普通だけど、この子は人懐こい。



妙に私の方へ寄ってくる。



彼の元へ帰るときは大丈夫なのだろうか、と思う程だ。



子猫は撫でてほしいと言わんばかりに、私の手の傍に来る。



でも、その仕草がとても可愛かった。





『今、家よね?
今からそっち行くから。』





「え……?」と思った時には既に電話を切られていた。



聞こえるのは、ツーツーという音だけ。



はぁ……。と小さな溜め息を吐く。



あっという間に、嬉しさがなくなった。





「朝食、食べないと。」





トーストを焼いている間に、目玉焼きを作る。



丁度いい焼き具合のトーストに好みの半熟の目玉焼きをのせる。



それと確か、昨日の夕食のサラダが残ってるはず。



……子猫のご飯ってミルクでいいのかな。



水色のお皿にミルクを少しだけ入れて子猫にあげる。



子猫は、警戒したのか匂いを嗅いでから飲み始めた。



ミルクで良かったんだ。



あまりにも美味しそうにミルクを飲むものだから、自然と笑顔になった。



朝食を済ませお皿を洗っていると、呼び鈴が聞こえた。
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