同期が急に変わったら…。〜将生side〜
OK
仕事を終えて、
外に出ると雨が降っていた。
傘をさして駅に向かう。
少し肌寒い。
帰宅する人の姿はあまりなく、
車の走る音と雨の音だけが聞こえてくる。
疲れた頭の中は無心になりかけて。
いずみ、傘持ってたのか?
雨に濡れなかったか?
あいつ、もう寝たか?
と、いずみを想う。
数時間前まで姿は見ていたのに、
いずみに会いたくて。
自宅に帰って、
ソファーに腰を下ろし。
遅くに帰っても、
いずみが居てくれたら
どんなに癒されるだろう。
いずみと一緒に居れば、
俺はどんなに楽しいだろう。
いつも俺のそばに置いておきたい。
ただ、そう思った。
1年なんて、待てない。
無理だ。
抑えきれない想いに
堪らず、
ソファーから腰を上げて
車のキーを持ち
マンションから飛び出した。
車に乗り込みそのまま走らせる。
もう11時になろうとしている
この遅い時間に
いずみのマンションへ向かった。
いずみのマンションの路肩に
車を停めてハザードを点滅させる。
いずみの部屋を見上げると、
もう既に暗くなっていた。
………。
もう寝たのかよ。
ったく。
……起きてろよ。
お前に会いたくて来たんだ。
顔くらい見たかった。
俺は1人の車の中で
溜息をついた。
帰るか。
………いずみ、おやすみ。
また来た道を飛ばして帰った。
何やってんだ。