同期が急に変わったら…。〜将生side〜



離れようと動くいずみは、

諦めたのか、

黙って俺に抱きついたまま

動かなくなった。






かと、思いきや。






俺の首に回しているいずみの腕。

急に、ぎゅうっと力が込められ

首筋にチュッとキスをされた。





ドクン。




こいつ……。

何やってんだよ。








『いずみ、煽るな。
お前、ここで襲うぞ。ったく。』




マジで襲うぞ。




『ねえ、そろそろ離れようか?』

『だな。このままいたいけどな。』






……仕事中だ。

いいかげん、離れなきゃな。






離してやるか。






いずみを腕から離す時、

チュッと軽いキスをした。






『はー、マジでおかしくなる。
オフィスに戻るぞ。』


『うん。
将生、ありがとう。』


『どういたしまして。』







いずみの最高の笑顔が見れた。



この笑顔が見たかった。





お前が笑ってくれるなら、

俺はなんだって頑張れる気がするよ。









仕事に戻るか。







甘い雰囲気から、

仕事モードに切り替えた。






『あっ、ねえ将生。
たまには俊介と瑠美ちゃん
一緒に営業行かせてみたら?』






突然のいずみの提案。

珍しい。

まあ、何かあるんだろ?






『宮野と加藤か。
そうだな、考えとくよ。』

『うん、お願いね。』







宮野と加藤か。

悪くない。

…そのうちな。





< 110 / 163 >

この作品をシェア

pagetop