同期が急に変わったら…。〜将生side〜




僅かな時間さえ惜しいのに

ムダな事に時間をとられた。






なんなんだ。






俺はひたすら仕事を片付けた。






が、予想外の仕事も増えて

結局残業になり。






いずみは少し前に帰って行った。






最終的に俺が仕事を終えたのは、

9時近くになっていた。






少し遅いが、

俺はもう限界だ。







俺は躊躇なく

いずみのマンションに向かった。








オートロックを解除して、

エレベーターに乗り

いずみの部屋の階の数字を押す。






上がって行くエレベーターの中で

携帯を取り出し

いずみに電話をかけた。







『もしもし』

『おう、いずみ?』

『うん。将生、今日はありがとう。』

『あー、全然。
それより、早く開けろ。』







電話をしながら、

エレベーターを降り

もう既にいずみの部屋のドアの前。





『へっ?』





何が、へっ?、だ!

早く開けろ。






『鍵。寒いだろ?』

『あー、すぐ開ける。』






ガチャ。






鍵の音を聞いて、

直ぐにドアを開ける。







『ただいま。』

『おかえり。』






ニッコリと笑顔のいずみ。



やっと来れた。



俺は、多分もう待てないな。





毎日、

こうしていずみの居る部屋に帰りたい。








靴を脱いで直ぐに

いずみを抱き寄せた。






優しくいずみの唇にキスをして。





『今週、なかなか来れなかった。
悪かったな。』





そう囁いて、

いずみの頬を両手で包んだ。






温かいいずみの頬。






ごめん、俺の手、冷たいだろ?





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