同期が急に変わったら…。〜将生side〜



が。

甘かった。





隆也の、いや、この夫婦の

爆弾トークは終わらなかった。






『だってよ、こいつさ。
彼女がいたら、
いずみが一緒に飯に行かなくなるって
別れたんだぜ。』






誰かこいつを止めてくれ。






いずみも俺をガン見してやがる。






『こっち見んなよ。
隆也っ、お前、口軽すぎ。』







帰りたくなってきた。


いずみも楽しそうにしやがって。






『そうだったの?』






と、嬉しそうに聞いてくる。







そうだよ、悪いかよっ。






『さあ?どうだったかな。』






俺は誤魔化してんのに、

ニッコニコのいずみ。






可愛い顔して笑ってんじゃねーよ。

厄日か、今日は。






『でね、2人を見てて
私達が我慢できなくてさ。

将生にハッパかけたのよ。
いずみに男、紹介するって。
将生よりイケメンの。』


『私、紹介してもらってないけど?』


『そんな人、いないもん。』






は?

は?

はーーー?

俺は耳までおかしくなったか?






『いないって何だよ?』

『ハハっ。ごめーん。
あれ、全部嘘だったのよね。』






嘘?

嘘って、あの嘘か?




やられた!






隆也と恵梨香は、

顔を見合わせて、



『ねー?』



と笑っている。






おーまーえーらー。






『ふざけんな。
今日、お前ら夫婦の奢りだな!』


『アホか?
こっちがお前らに感謝されて
奢ってもらう立場じゃねーか?』


『そんなもん、知るか!』






恵梨香は、

今にも吹き出しそうにして、

いずみに一部始終を話している。






しかし、

騙される俺もバカか?





バカなんだな。

いずみの事になると、

冷静になんてなれなかった。



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