同期が急に変わったら…。〜将生side〜


『将生〜、お風呂いいよ〜。』

『おう。』





いずみは、まだ機嫌がいい。

ちょっと冒険してみるか。





『いずみ、一緒に入るぞ。』

『やだよ。』

『なんでだよ?
もう、いずみの全部知ってる。』

『それ、やめなさい。』

『早く。』





無視か。





口にしたら、

俺は、もうその気になったから。

有言実行。





いずみの身体を抱き上げる。



『ちょっと、将生。』

『動くな。落とすぞ。』

『………。』





脱衣室まで連れて行き、

そっと降ろした。




『ほら、入るぞ。』

『……。』

『来いよ。』




かなり強引な俺に、

いずみは諦めたようで、

一緒に風呂に入ってくれるらしい。




マジか?

言ってみるもんだな。




女と風呂に入るのは初めてじゃないが、

こんなに嬉しく感じた事はない。







高揚する自分を感じながら

先に湯船に入って待っていたら、

少し拗ねた顔で

いずみが浴室を覗いた。




『ねえ、
やっぱりなんかヤダ。』




アホか。

今更恥ずかしがんなよ。

だから、お前の全部知ってるって。




と、心で思いつつ、





浴室の入口に向けて背を向けた。

いずみが、入って来やすいように。

なんやかんや、こいつの言いなり。




『早くしろよ。』

『わかったから!』





チャポンといずみが湯船に入ってきた。





『恥ずかしいのか?』

『……まあね。』

『アホか。』

『スケベ。』

『なんだと?』

『エロ将生。』

『はいはい。なんとでも言え。』




いずみをクルリと反転させて。





そのまま後ろから抱きしめて

首筋にキスをしてやった。




『んっ。』

『さっそく感じてんじゃん。』

『ちっ、違うからっ!』

『ふうん。』




後ろから頬にもキスをして

ぎゅうっと抱きしめた。




抱きしめる俺の腕に

そっと触れたいずみは、



『ねえ、将生。ありがとう。』



優しい声で呟いた。




『何が?』

『ん〜、異動の事。
頑張ってくれたんでしょ?』




話しながら、俺の腕を優しく撫でる。




『さあな。
あ〜、宮野が力になってくれた。』

『うん。知ってる。』

『お礼、言っておけよ。』

『もう言ったよ。
将生もありがとう。』

『いいえ。

……。

いずみ、キスさせろ。』




いずみは、

後ろを振り返り唇を近づけてくる。





吸い付くように絡み合う二人の口内。




『はあっ。』

『いずみ。』

『ん〜?何?』





ニッコリ笑った顔に、グッとくる。




チュッ。




また軽くキスしてやったら、

クスっと笑って、




『将生。大好き。』

『………。』




……こいつ。

どんだけお前を好きにさせる気だよ?

もうMAX超えてんだよ。




『将生は、言ってくれないの?』

『聞きたいのか?』

『…うん。』

『いずみ。好きだよ。』

『ふふっ。ありがと。』

『アホか。』

『いいじゃん。』






いずみにならどれだけでも言ってやる。






しかし、

二人で入る風呂。

すっげー楽しい。楽しすぎた。






やっぱり今日は

絶対、いい返事をもらおう。



< 124 / 163 >

この作品をシェア

pagetop