同期が急に変わったら…。〜将生side〜
いずみがベッドに入りやすいように、
俺は背中を向けて横になった。
そっとベッドに入ってきたいずみも
おそらく俺に背を向けてるだろう。
俺といずみの向き合う背中。
触れ合わないお互いの背中の間に
空気の壁が存在している。
静かな音のない寝室。
しばらくの時間が過ぎた。
寝たか?
寝息も聞こえてないが。
軽く首だけで振り返ると、
やはり背を向けて寝ているいずみ。
抱きしめるくらい、
許してくれるか?
俺は、
身体の向きをいずみの方へ変えて
背を向けるいずみを
後ろからそっと抱きしめた。
フワッと、
いずみの髪からいい匂いがして、
愛しさが込み上げてきた。
お前に触れたいと、
こうして抱きしめたいと、
どれだけ思った事か。
やっと、俺の腕の中にいずみが居る。
柔らかい女の感触。
離したくない。
『ちょっ、将生!何してんのよ!』
『ククッ。お前、起きてたの?』
寝てなかったか。
拒否んなよ、頼むから。