同期が急に変わったら…。〜将生side〜



変に時間を取られたおかげで、

午後からも仕事に追われていた。





煙草さえ吸えない。





パソコンから目を離さず、

ひたすら仕事に打ち込んでいた。





ふっと、頭上から、

よく聞き慣れたあいつの声がした。





『課長、宮野とNS行って来ます。』





いずみが俺のデスクの前に立っている。

チラッとだけいずみの顔を見て、





『頼むぞ。』





と、言ってから……。





あっ。

と思い出した。






顔を上げると、

俺の苦労なんて、

知りもしないいずみが

澄ました顔して、俺を見ている。






いずみを見ていたら、

明日からこいつに会えないのか、と

寂しさが俺の心を横切っていく。






今のうちに

さっきのアレ、言っておくべきか?





まさかだが、

俺がYesの返事をしたとは

思ってないよな?






いずみなら怪しい。






言っておくか。



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