同期が急に変わったら…。〜将生side〜
『だっ、黙らないでよ?
冗談よ、冗談。
将生の真似して虐めてみたのよ。』
………冗談か。
全身の力が抜け落ちるような感覚。
ガッカリとやっぱりの感情で
俺の心は一気に沈んだ。
正直、かなり動揺していたが、
自分を落ち着かせ、
『………。
俺は、冗談じゃないけど。』
『えっ?あははっ。もういいって!』
『……。いずみ、お前なあ。
そういうのは、本気で言え。
まあ、いいよ。
明日そのまま、いずみんちに泊まる。』
この後のいずみは、
いつもに増して、
憎まれ口のオンパレードだった。
普通、女が
『殴るよ。』
とか、言うか?
でも、まあ、
そんな事を言ういずみが、
可愛いくて可笑しくて、笑った。
が、俺が笑っただけなんだが、
機嫌を崩した様子で、
『もう寝る。』
と、いずみの声が少し拗ねていた。
俺も、まだ仕事がある。
このくらいで、やめておこう。
明日は、ゆっくり会える。
『明日な。』
『はいはい。』
明日俺が
いずみんちに行く事を了承させて、
電話を切った。
すぐに、パソコンに向き合い、
キーボードを叩いた。
が、
あのいずみに言われたフレーズ。
『将生に会いたくなっちゃった。』
まだ、胸の鼓動が早い。
思い出すだけで、
胸がギュっとなって苦しくなる。
いずみの笑顔が浮かんで
溜息が漏れた。
俺は、早くお前に会いたいけどな。