同期が急に変わったら…。〜将生side〜
薄暗くなった町並みを、
スーツケースをゴロゴロと引きながら、
いずみのマンションの近くまで来た。
あいつ、残業してないだろうな?
マンションに到着しての
待ちぼうけは勘弁してくれよ。
歩道から
いずみの部屋の灯りを確かめる。
見上げた先のベランダ越しには
灯りが点いているのが見えた。
帰ってるな。
さっきまで、
俺の疲れきっていた身体。
いずみの存在が確認できた事だけで、
急に足取りも軽くなり、
自然と歩くペースも早まる。
当然のように覚えている
オートロックの暗証番号を押し、
エントランスのドアを開けた。
いずみの暗証番号。
いつの間にか、覚えてた。
俺達の信頼度が分かる。
この信頼を、違う感情の信頼にする。
さて、行くか。