同期が急に変わったら…。〜将生side〜
俺が風呂から上がって、
いずみも続いて風呂に入った。
俺は、また仕事をやり始める。
やり始めたら、
また集中してしまった。
いずみが風呂から上がってきて、
『まだやってる。』
と、呟く。
『あー、悪いな。』
パソコンの画面を見たまま、会話する。
『ううん、全然。
なにかいる?お茶とか。』
『いや、いいよ。』
『そ。勝手に飲んでいいから。』
『分かってる。』
『はー、そうですか。』
いずみは、
ミネラルウォーターをゴクゴク飲んで
『あ〜、うまいっ。』
と、一人で言っている。
『お前はオヤジか。』
『オヤジはあんた。』
……無視だな。
『ちょっと〜、無視しないでよ〜。』
『黙れ。』
『はいはい。』
スッピンのいずみは
ただ、ソファーに座っていた。
なるべく風呂上がりのいずみは
見ないようにして、
パソコンから目を逸らさずにいた。
風呂上がりのいずみは、
特にヤバイ。
変に色っぽいから。
それでも、気になってしまい、
いずみをチラッと見てみたら、
ソファーで雑誌を見ていた。
俺が仕事をしていても、
特に文句も言わない。
例えば、
仕事するなら自分の家でやれば?
とか言われても仕方ない状況だ。
でも、いずみは何も言わない。
今は、ただ黙って雑誌を読んでいる。
もう少ししたら
いいかげん切り上げるか。
いずみを見たら、ふと目が合って
首を傾げて『何?』とでも言うように、
ニコッと笑った。
やっぱ落ち着くな。
いずみと居たら、
心が温かいもので満たされていく。
ここに帰って来て正解だった。
もう少し仕事をさせてもらおう。
明日もまたここに帰って来たいから。
出来るだけ仕上げておこう。
俺はまた、キーボードを叩き始めた。