儚語り
どうして奇襲を感知できなかったのか。



いろいろな疑問が浮かぶが、その疑問に答えるものはおらず、鬼火は無意識に空白の祠へ、思い出のたくさん詰まった桜のある場所へ、一歩一歩進んでいく。



そこに行けば、また空白に会えるような気がした。



空白が逸早く神様になり与えられた祠。



空白のつけていた翡翠の髪飾りがそこには置いてある、この国を護るために。



ずば抜けた才能を持った空白だからこそ、御柱の国の護り神にもなった。



やっとの思いでたどり着いた鬼火を待っていたのは、桜は折れ祠は壊れ酷い有り様だった。



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